物質にレーザー光をあてて散乱光を分析すると、イオンの振動や分子の動きに関する詳細な情報が得られます。 これを基に、物質の構造や性質を順序立てて解明するのが分光法です。
ブリルアン散乱は音響振動(低周波の格子振動)に由来する光散乱を、ラマン散乱は光学振動(高周波の格子振動)に由来する光散乱をそれぞれ利用します。
本研究室は、上述の光散乱現象をさまざまな条件下で精密に測定する技術を有しています。たとえば、左図は入射光の偏光面を回転させつつ散乱光を取得する「角度分解偏光ラマン散乱測定」の結果を示したものです。この技術により、物質内部の対称性や振動モードに関する詳細な情報を明らかにすることが可能です。
私たちの研究室では、さまざまな装置を活用して高品質な試料を作製しています。 右の写真に示されているのは、KFを添加したBaTiO3単結晶で、フラックス法によって育成されたものです。
また、引き上げ炉、引き下げ炉、FZ炉、スパークプラズマ焼結装置など、充実した試料合成設備を備えています。これらの装置を駆使して、目的に応じた多様な試料合成が可能です。
KFを添加したBaTiO3単結晶で、これまでにない巨大なアニール効果を発見しました。
アニール処理により、相転移温度が室温から120℃まで大幅に上昇しました。
この成果は、新たな応用可能性を示唆しています。
また、KTaO3で見かけの巨大誘電応答など、試料を作ると様々な発見があります。
このような現象を、ブリルアン散乱やラマン散乱から、微視的に理解しています。
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