イオンの振動(フォノン)を通して、微視的な結晶構造と物性を結びつけるような研究をしています。よく「構造物性」というワードを目にしますが、フォノンをメインに扱うという意味で「動的構造物性」というのがしっくり来ています。
島根大学教育学部の物理学研究室は、代々、「強誘電体」という物質の研究が盛んで、国際会議を主催するような役目も担っています。
2024年7月 The 16th Japan-China Symposium on Ferrolectric Materials and their Applications
2016年6月 IWRF と RCBJSFの合同会議
ブリルアン−ラマン分光法
レーザー光を物質にあてると光が散乱します。散乱光を分析すると、フォノンの情報を取り出せます。
この情報をもとに、物質の性質をミクロな視点から理解していきます。
下の図は、うちの研究室一押しの「角度分解偏光ラマン顕微鏡」でとった、ラマンスペクトルの角度依存性です。
この手法を用いると、イオンの振動の情報から結晶構造の情報まで得られます。多変量解析を用いた解析法もうちで開発しました。
結晶の育成、セラミックスの焼結
物質をつくることもしています。様々な装置を使用して試料を作ります。
左側の写真は、KF置換BaTiO3単結晶。フラックス法で育成しました.FZ炉・スパークプラズマ焼結など、試料合成装置が充実しています。また、XRDや誘電測定、圧電測定、自発分極・・・評価装置もいくつかあります。
右側の図は、フラックス法で育成したKTaO3結晶の巨大誘電応答を示しています。ミクロには…と話が止まらなくなります。
*これらの装置軍は、退職した秋重幸重先生が残してくれました。
教材の改善や基礎づけなど、楽しんでやっています。最近だと、
・(写真左) 音を可視化したり、振動を感じる工作・授業
・(写真中央) テレビ石を光ファイバーで作製して、岩石の学習とつなげるようなワークショップ
・(写真右) 偏光板を用いた光の工作
のような、光や音にかかわる実験教室を、島根県、島根大学、応用物理学会など、様々な団体とコラボしながら実施しています。
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島根大学教育学部棟
−塚田居室:330号室
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−光物性実験棟
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RCBJSF-IWRF(2016)